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最高裁判所第二小法廷 昭和30年(オ)911号 判決 1958年6月06日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理由

上告人らの上告理由第一点について。

本件被上告組合の定款三九条によれば、同組合は組合長がこれを代表することになつていること、および、本件が原審に係属中同組合を代表して弁護士宮崎忠義に訴訟代理を委任した水野力は、当時同組合の組合長であつたことは、いずれも本件記録に徴し明らかなところである。従つて、仮に波片馨が所論の如く被上告組合を代表する権限を有しなかつたとしても、宮崎弁護士が前記委任に基き被上告組合の訴訟代理人として、昭和三〇年七月一二日の本件口頭弁論においてなした陳述により、従前の訴訟行為は追認されたものと認めるべきであるから、本件は、訴提起の時に遡つて被上告組合のためにその効力を生じたものというべく、論旨はこれを採用し難い。(又論旨中利益相反する行為についての主張は原審で主張判断を経ていない事項であるから採るを得ない。)

同第二点について。

消費賃借における利息は、元本利用の対価であり、借主は元本を受け取つた日からこれを利用しうるのであるから、特約のないかぎり、消費賃借成立の日から利息を支払うべき義務があるものというべきである。原判決には、所論の如き違法はなく、論旨は採るをえない。

同第三点について。

論旨は、原判決は法令の解釈を誤り又は理由にそごがあると主張するが、所論は結局原審が適法になした事実認定を非難するものにすぎず、適法な上告理由と認め難い。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条一項本文に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

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